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1月 1日 2269号


新年特集一号
 

クルマが世界を変える=\多彩なコンセプトカー
近未来社会を提案した昨年のモーターショー。
 2011年、日本列島はかつてない災禍に切り裂かれた。春の大震災に始まり、夏の大型台風、秋にはタイの洪水、さらに超円高が日本の自動車産業に追い打ちをかけている。 
 自動車販売は、国内外を問わず国民の中間層による買い換え需要に支えられて発展してきた。だが、08年のリーマンショックはその中間層を直撃、深刻な失業を生み出し、若年層の就職率の悪化を招いている。クルマに対する価値観も大きく変化している。
 自動車の価格は、保有することが社会的なステータスを示すものであった時代を経てなお、一般的サラリーマンの所得水準に比べて高い。このため車の持続的な購入にはまず、安定した雇用と昇給の保証・継続がその前提条件となる。また、高額な支出を満足させるだけの十分な品質性能と魅力とを備えていることを求められる。
 わが国の総保有台数は06年度の7924万台をピークに減少に転じた。登録乗用車は00年度の5246万台を最高にこの10年間減少を続けている。先進国メーカーが覇権を競ってきた世界の自動車市場は中国に主役の座を譲り、主流を形成しているのはインドなどアジアの新興国である。
 確かにそうした流れでみると、日本ブランド車の存在感は薄れがちだが、日本車の品質性能に対するの評価が低下したわけでも、先端技術が発信するコンセプトが輝きを失ったわけでもない。高齢化、過疎化が進む近未来社会ではますますクルマの便利さ、快適さに夢を描く人々が増えている。
 昨年開かれた第42回東京モーターショー(12月2日〜11日)は予想を上回る84万2600人の一般入場者が詰めかけた。前回2009年の61万4400人から約37%も増えた。会場が24年ぶりに東京に戻り、日曜以外の開場時間を2時間延ばし午後8時までとするなど集客を強化した面も大きい。
 前回は世界同時不況の最中だったことからほとんど参加がなかった海外の主要自動車メーカーが、今回は欧州系メーカーを中心に増え、約140台の世界初発表、日本初公開の次世代車が勢ぞろい、展示台数は前回の1・5倍に達したことも来場吸引力を高めたのも事実だろう。
 だが、忘れてならないのは日本自動工業会がテーマ事業として訴えた「近未来社会におけるクルマの役割」だ。モーターショーとしては異色のハウスメーカーや住宅設備メーカーなどが初めて出展し、クルマを主役として提案した暮らしの夢≠ェ、これからどんな社会システムを育むのか。
 今年2月に北海道でも初の自動車大型イベント「札幌モーターショー2012」が開催される。自動車産業の新たな発展の年として期待したい。
 


新年特集二号
 
交通革命≠ェ待望されている道央圏との直結。
高速道路機能の活用がカギを握る。
 札幌・道央圏と十勝を直結する高速道路道東自動車道(道東道)が昨年の晩秋、開通した(10月29日、夕張インターチェンジ=ICで開通式が行われ、約50台の自動車が関係者の大きな拍手に送られて連結した占冠ICまでの新道34・5`を快走。同日から帯広―札幌間は従来より約30分短縮され、約3時間で移動できるようになった。
 道東道は、北海道横断自動車道(後志管内黒松内町―釧路・北見方面、基本計画約527`)の主要区間。16年前の1995(平成7)年に十勝清水―池田間(50・3`、)が先行する形で部分開通し、次いで2007年に十勝清水―トマム間、09年には占冠―トマム間が開通。同時に千歳方面からの整備も進行していた。
 十勝地方では、道東道の道央圏直結を日勝道路の開通や国道274号の全線整備、JR石勝開通などと並ぶ「交通革命」として待望。交流人口の増加や経済への波及効果を期待し、十勝観光連盟や十勝総合振興局など管内の各機関・団体が取り組みを活発化させている。
 また道東道の開通は、北海道縦貫自動車道に連結する道南や旭川方面へ高速道路による移動を可能にするもので、北海道全体の交通ネットワーク形成にも大きな影響を与えそう。
 東日本高速道路道(ネクスコ東日本)北海道支社が本格的な降雪期を前にまとめた、新たにつながったIC近接区間の開通後1カ月の利用状況は、1日平均交通量(11月1〜30日)が当初見込みの約3100第から3200台を大幅に上回り、1・6倍強の5200台が料金所を通過した。一方で並行する国道への影響(開通翌日=10月30日)は、前週の約8100台より5100台減ったという。
 道東道が大動脈であるだけにその整備に伴う影響は当然、メリット、デメリットを含めて各方面に波及する。
 まず上げられるメリットは運送、観光関連分野に多い都市間(高速)バスの利便性の向上。移動時間の短縮による利用者の乗車時の快適さ、疲労の軽減による安全運転の確保が期待されている。中でも注目されているのが、搬送時間の短縮で傷病者への影響が軽減される地域医療の環境改善のサポート。苫小牧、札幌方面への救急搬送ルートの拡大は、高速道路網ならではの機能といえる。
 懸念材料は、地域が必要とするヒト、モノの道央圏への流出。「ストロー化」といわれる広がる利便性の格差が引き起こすこの現象は、高速道に限らない。社会資本整備は器づくりであり、高速道をはじめ空港、港湾ができたから地域が発展するわけではなく、それをどう活用するかが重要。
 道路で連結する広域的な経済圏の中で、地域の人流、物流を相互に高め合う戦略の構築が住民を含めた関係者に求められている。
 

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